個人事業主のファクタリング審査

個人事業主のファクタリング審査

個人事業主だから審査が厳しいということはありません。しかし個人事業主の取引先が売掛金ファクタリングの債権として信用度が低い傾向が強いなど、複数の条件が絡み合った結果として厳しい審査結果になりやすいとはいえます。

審査が厳しい=契約不可能ではない

単純に「ファクタリング契約ができない」のではなく「買取手数料が高額になる」点も含めて、厳しい審査結果と言えますね。

要因はこれから紹介する複数の事情が絡み合うことにあるのですが、それら事情の内で解決できる問題をひとつずつ解決させることで、喜ばしい結果をもたらす可能性をアップさせることが出来るということですね。

原因1.少額ファクタリング

売掛金ファクタリングにおける小口買取は敬遠されがちです。理由は明白で「手間の割に儲けが少ない」からです。

ファクタリング会社からすれば、10万円の買取でも1,000万円の買取でも、その審査内容は基本的に変わりありません。それなのに手数料を5%として考えた場合【5,000円:500,000円】の差があります。

一概には言えませんが、個人事業主さんは取引先の規模も小さめな場合が少なくなく、結果少額債権=少額ファクタリングになりがちな点が挙げられます。

太郎社長

管理人が個人事業時代に大手財閥系グループ会社の仕事を受注することになった際「法人企業にしか発注できないから急いで法人設立してください」と言われた経緯があります。

これら事例からも読み取れるように、一般的には個人事業よりも法人企業の方がより安定した企業との取引、より大きな金額を扱っていると考えられているのも個人事業主のファクタリング審査が厳しくなる要因になっていることは間違いありませんね。

原因2.取引先の信用度

前述のとおり、一定規模以上の企業は個人事業主との取引を原則禁止している会社も少なくありません。
つまり、全部が全部ではありませんが「個人事業主さんの取引先=零細企業の割合が高い」とも言い換えることができます。

ファクタリング会社としては、万が一売掛債権の取引先が破綻してしまったら、回収を行うことができず泣き寝入りするほかありません。
それを回避するには、少々のことでは経営が傾かない体力のある企業の売掛債権であることが求められているのです。その結果として信用度の低い債権買取はファクタリング会社としての選択肢は次の二択になってきます。

  1. ハイリスクハイリターン:破綻のリスクは高いが高めの手数料
  2. ノーリスクノーリターン:損害を生まないが利益もない

ハイリスクハイリターンとは言いつつも、元々の買取額が少額であるので、いくら高めの手数料といっても金額的には大きくはありません。
それならばリスクは犯さない方がより賢明にあることが、審査を難しくしている一因となっているといえるでしょう。

原因3.債権譲渡登記の問題

売掛金ファクタリングにおいて、目的とされる売掛債権がもし多少信頼度が低い際も「債権譲渡登記」を行うことで、ファクタリング会社は2つの安心を得ることが可能になります。

  1. 取引先破綻時の被害を最小限に抑える保険的意味合い
  2. 売掛金の二重譲渡が行われる危険を防ぐ

債権譲渡登記することでこれらトラブルへの対抗措置を講じることになりますので、債権回収に関わるリスクを大きく下げることができます。

しかし、債権譲渡登記は取引先ではなく債券保有者(この場合は個人事業主さん)に対しして登記する必要があるのですが、個人の保有する債権に債権譲渡登記の手続きを行うことができません。

ファクタリング会社は信頼度の低い債権であればあるほど「リスク回避」を考えますので、債権譲渡登記の点においても個人事業主さんは審査で不利になりやすいといえますね。

原因4.経営状況の把握の問題

法人企業における決算書は個人事業主さんの確定申告が一番近い性質のものになりますが、それら申告書類は事業主さん自身で作成していることは少なくありません。
一般的に税理士が関与するであろう、法人の決算書と比べて信頼性、信憑性が低いと言わざるを得ません。

  1. 個人の税金対策として利益を縮小申告する
  2. 金融機関からの借入を見越して利益を過大申告する

これら申告内容の調整が、税理士が関与した場合の『対策』としての次元を超え『あからさまの偽装申告』さえも比較的容易にできてしまいます。
つまり、書類の正確性に疑問符が残る ことで、正確な経営状況を把握することが難しくなってしまいますので、審査に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

審査への対策

原因が分かればそれに応じた対応策を講じることで、より良い審査結果を得る可能性を向上できるといえますね。ひとつずつ問題への対策を確認してみましょう。

  1. 少額ファクタリング問題への対策
  2. 売掛債権の信用度の問題への対策
  3. 債権譲渡登記の問題への対策

対策1.少額ファクタリング問題

少額債券を合算して額を大きくする

少額債券を寄せ集めてある程度の金額にする方法です。
当然複数の売掛先になりますので、ファクタリング会社は審査の数が増えることになります。それでも合計金額的には一つの少額債権買取よりは大きくなりますので、良い審査結果へつながりやすいといえます。

対策2.売掛債権の信用度

安定した取引実績をアピール

ファクタリング会社としても、取引先が小規模企業という理由だけで全ての企業が信用に値しないとは考えていません。社長さんと取引先企業間における過去の取引実績を基に、取引先の信頼度を高める方法を考える必要があります。

  1. 長期間安定的な取引がある
  2. 支払期日がしっかりと守られている
  3. 契約書などの書類がしっかりと作成されている

これら点を重視することで、審査結果に違いがでることも大いに考えられます。

対策3.債権譲渡登記の問題

三社間ファクタリングを選択する

取引先の承諾を得る形での三社間ファクタリングにすることで、債権の二重譲渡防止になりますし、売掛金を直接払いしてくれるので回収リスクの対策にもなります。

債権譲渡登記と比べると取引先が破綻した時の第三者への対抗措置に関しては貧弱ではありますが、その点は買取手数料の利率において調整されることになります。

それでも信頼度の低い債券での二社間ファクタリングよりは、ファクタリング会社のリスクは低減されるのは間違いありません。そしてなによりも三社間ファクタリングの方が手数料が明らかに低くなる傾向にあるので、社長さんへのメリットも少なくありません。

まとめ

個人事業主のファクタリングは審査を通過できない、また通過したとしても手数料が高いといわれる理由は何となく理解できたのではないでしょうか。

またそれは、絶対ではなく一般的な傾向として「審査通過できない、手数料が高額になる傾向があるだけ」であることも忘れないでください。

受験勉強と同じくしっかりとした傾向と対策を講じることで、審査通過の確立と手数料低下の確立が大きく向上することは間違いありません。

逆に法人だからと言って必ず審査を通過するわけではありませんし、必ず手数料が安くなるとは言い切れません。この場合においてもより良い結果のために対策が必要になるのは、個人事業も法人企業もなんら変わりはありませんね。

ファクタリング会社条件別検索
ファクタリングコラム