債権譲渡登記を考える

債権譲渡登記を考える

※登記事項なので個人事業主さんは無縁ですのでご安心ください

書いても読んでも字のごとく『債権を譲渡した時の登記』です。売掛金ファクタリングとは、売買やその他の手段は問わずに結果として「債権の譲渡」にあたる商取引行為のひとつであり、譲受側は間違いなくその債権は自分の物であると主張するために法務局にて登記することを『債権譲渡登記』と呼びます。

ファクタリングにおける債権譲渡登記の意味

売掛金ファクタリングにおける『債権譲渡登記』は誰のために何のメリットがあるのかと言えば、100%ファクタリング会社のための物であり、ファクタリング会社を守ることが目的 になります。

簡単すぎる説明になりますが、万が一社長さんの会社が経営破綻という悪魔に飲み込まれてしまったら、一般的には全ての債務者で会社の財産を均等に山分けすることになります。

そんな時にしか立たないけれど、そんな時だからこそ役に立つ強力な武器『債権譲渡登記』が魔法の紙切れになってくれるのです。
債務者での山分け前に、債権譲渡登記された会社の資産は登記人(この場合はファクタリング会社)が全部お持ちくださいと、法務局からのお墨付きを得た債権保証書ということです。

太郎社長

社長さんの会社が倒産した時としても、売掛先企業が債務を有している以上、それを最優先で回収できる権利書!

債権譲渡登記あり?なし?

売掛金ファクタリングにおいて債権譲渡登記の「あり、なし、原則あり、原則なし、要相談」とは、債権譲渡登記をするか?しないか?を意味することになります。

売掛金ファクタリングにおいての『債権譲渡登記』はファクタリング会社のためのものであると説明しましたが、実は社長さんのためにも一役買ってくれる結果をもたらします。

太郎社長

債権譲渡登記ありは、債権譲渡登記なしに比べると ファクタリング手数料が安くなる 傾向がとても強い

家電を購入する際に『7年間延長補償オプション』なんてのがありますが、この場合は通常より手厚い保証を受けるために追加料金を支払うことになります。

売掛金ファクタリングにおいても、ファクタリング会社が「債権の独占という手厚い保証」を受けるために、手数料を安くする(収益の減少)という、家電購入時と同様の法則に則った手数料を支払っているとも言えますね。

債権譲渡登記の◎と✖

債権権譲渡登記するメリット、しないデメリット

  • する方がファクタリング手数料が安くなる傾向が強い

債権譲渡登記しないメリット、するデメリット

  • 手続きがスムーズに進む
  • 登記費用や司法書士費用が必要(目安10万円)
  • 債権譲渡の登記は誰でも見れてしまう(※)

(※)誰でも見れると言っても、債権譲渡の実態をピンポイントで見ようしない限りは目に触れることはなくなりました。

法人登記簿で簡単にわかってしまうと、物件賃貸借や車庫証明、比較的日常的な商取引において簡単に丸見えになってしまうし、なによりも取引先などに対し信用不安をもたらす可能性もあるから困る!というのは昔の話。

現在は法改正の末に「現在事項証明書(債権譲渡登記事項概要ファイル)」をピンポイントで取得・閲覧しなければ見ることはできなくなっています。余程の信用調査でもない限り、わざわざ手数料を支払って特定の会社の債権譲渡記録を見ようなんて悪趣味の人は中々いるものではないですよね。

費用の目安

  1. 印紙代:200円
  2. 登録免許税:7,500円
  3. 郵便通信費:2,000円程度
  4. 登記事項証明書:500円
  5. 司法書士費用:相場50,000円~100,000円程度(登記や契約書作成に関わる報酬、日当や交通費など)

実費分は10,000円未満です。債権譲渡登記を自分で行えば司法書士手数料を省くことも可能ですが、債権譲渡登記は東京法務局(東京都中野区)のみで登記可能となっているほか、内容的にもやはり現実的ではありませんね。

まとめ

実勢取引としては二社間ファクタリングや比較的少額な三社間ファクタリングにおいては「債権譲渡登記なし」とされる場合が多いようです。時間も手間もかかります、スムーズな資金調達にそぐわない面も含んみますので納得ですね。

逆に比較的高額なファクタリングにおいては「債権譲渡登記あり」が多い傾向にあります。これもまた然りで、ファクタリング会社のリスク管理を考量すれば当然ですね。

ファクタリング会社にもよりますが、いずれの場合も絶対のルール基準が明確でない場合も多く、第一に社長さんの方針に沿う形を目標にし、その上で条件を固めていく柔軟な対応を期待できます。

大切な会社のお金の話です。どちらが良いの?どうすれば良いの?はひとつ残らず担当者に質問してみるべきですね。

要確認

当記事における債権譲渡登記の説明は、記事作成時点での法規を基に「売掛金ファクタリングとに関わる内容を最低限の文章と一般的な単語を用いて極力簡易的に説明」しています。債権譲渡登記の詳細は 法務省WEBサイト で必ずご確認ください。

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